ADMETA記念冊子の発行について
Introduction


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30回記念HP開設にあたって

ADMETAは,2021年の開催をもって30回目の節目を迎えました.その歴史は,配線技術開発の歴史そのものとも言えるでしょう.

20周年の開催の折,ADMETA委員会はそれまでの歴史の流れを示す小冊子を発行しました.技術の勃興期から当時に至るまでのエキサイティングな雰囲気が伝わってくる,素晴らしい内容であったと自負しております.

今回,30回目を迎えるにあたり,日本語の印刷体のみで発行されていた20周年小冊子の一部を,英訳してWeb上にて公開することにいたしました.著作権の関係から全てを公開することは出来ませんが,貴重な資料となりうる情報をお届けします.また,その後約10年間のADMETAの歴史についても,一部追加しています.さらに,歴代の委員長の方々から,お祝いの挨拶をいただきました.それらも併せて公開させていただきます.

この翻訳を通じて,若い研究者や技術者の皆様が,配線技術開発の歴史を学び,新たな技術開発へのヒントを得ていただければ幸いです.英訳に際して,ご助力を賜りました過去の委員長の皆様に,御礼申し上げます.翻訳に不適切な箇所がある場合は,全ての責任は翻訳担当にあります.

これからのADMETAの歴史となる皆様に,この翻訳が役に立つことを切に願っております.

翻訳担当
ADMETA plus 2019委員長
横川 慎二(電気通信大学)




前書き

LSI(Large Scale Integration)相互接続(Interconnection)技術は、1980年代後半から目覚ましい進歩を遂げました。 Advanced Metallization Conference:Asian Session(ADMETA)は、最初の会議(1989)から18年後、日米合同で開催されたタングステンワークショップで、日本で唯一のLSI相互接続技術に特化した国際会議として重要な役割を果たしてきました。その前身として。当初は半年ごとに開催されていましたが、1995年から毎年開催されています。さらに、最近、発行される論文の数は約50〜60に増え、200人以上の参加者があります。この社会の運営は、LSIデバイスメーカー、半導体機器メーカー、材料メーカーなど20社以上からの多額の寄付と、数名の技術者や研究者の参加によって支えられてきました。これまでご支援いただいた方々に感謝の意を表し、記念誌を発行することを決定いたしました。また、年数は正確な年数と若干異なり、ADMETA発足20周年の意味もこの冊子に収録されています。

この記念冊子では、LSI相互接続技術の開発について説明しました。過去20年間で、LSI相互接続の最小線幅は1.0umから約60nmに小​​型化され、相互接続層の数は2層から約10層に増加しました。これらの目標は、いくつかの重要な技術的変化により達成されました。 AIからCuの相互接続、CVD(化学蒸着)タングステンおよびCMP(化学機械研磨)の導入、エッチング(RIE)からダマシン、低誘電体膜、スパッタリングからめっきなど、無限の開発がありました。多層相互接続技術の台頭の10年と言える1980年代に活躍したエンジニアの中には、50代から60代のエンジニアが何人かいなければならず、その多くは現在このテクノロジーから引退しています。以前は、エピソード付きの解説記事を通じて可能になった若いエンジニアの見解についてあまり読む機会がありませんでした。材料技術の分野では、周辺技術の進歩により、使用できないと判断された技術が突然脚光を浴びる可能性があります。この本には、ADMETAの歴史と相互接続技術の開発が最初の部分で説明され、円卓会議「多層相互接続の台頭」の要約が2番目の部分で説明されているいくつかのそのような逸話が含まれています。第3部には、コアテクノロジー分野の専門家による説明が含まれています。気楽に読んでいただき、興味のある方に読んでいただければ幸いです。 *)

最近、低誘電体などの問題はまだ存在しますが、Cu/low-k膜相互接続技術はより包括的になっています。 さらに、Cu相互接続の性能限界を破る新しい材料が必要です。 ただし、ブレークスルーはまれです。 さらに、デバイス企業は研究開発を行う余裕がなくなり、研究開発はコンソーシアム、機器、材料メーカーにシフトしています。 1980年代、デバイスメーカーは試行錯誤の検索実験が可能な環境で働き、目覚ましい技術開発の基礎を支えました。 今日、相互接続技術のさらなる発展には、従来の技術の境界を超えたアイデア、個々の研究者レベルでの柔軟な活動環境、および活発な相互交換が必要です。 この目標を達成するために、ADMETAが、関連する研究者が集まり、活発な議論を行う場としてさらに発展することを期待しています。

ADMETA記念号編集委員長
新宮原 正三(関西大学)

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