Advanced Metallization Conference 2021
30thAnniversary, Asian Session
Chapter 1:
Previous Page Next Page
|
東京工業大学 依田 孝 “令和「不易流行」考” ADMETA30周年、誠におめでとうございます。ここまで学会活動を支えてくれた主催者、議論を盛り上げてくれた参加者の方々に心より感謝いたします。 米中覇権争いのど真ん中で、今また、わが国でも半導体産業が脚光を浴びています。既視感がないわけではないが、脚光を浴びて、結局どういう方向に向かうべきでしょうか？ADMETA誕生とほぼ時を同じくして出版された、約30年前の「テクノヘゲモニー」（薬師寺 泰蔵著）、“国は技術で興り、滅びる”。国家は技術によって安全保障を確保するから、技術が国際システムの中での覇権に大きく関与する、経済安全保障まで拡大している昨今であり、至言でもあります。 さて、本題に戻ります。「不易流行」、江戸時代の俳人、松尾芭蕉の提唱した俳諧の理念のひとつです。どんなに時代が変わっても変わらないもの（変えてはいけないもの）である「不易」と、世の中の流れに合わせて変わるもの、変えていかねばいけないもの「流行」があるとの事です。「企業寿命30年説」が取り沙汰された頃もあり、「創業期」「成長期」「成熟期」「衰退期」という経過を辿ると言われています。しかし世界のなかでも抜きんでて「100年企業」が多いのも、また日本です。100年続く秘訣とは何でしょうか？「不易」と「流行」の双方をバランス良く意識している事が重要と言われています。ADMETAに対応すべく列挙するに、「不易」：物理化学に根差した基盤的アプローチ、多面的な考察、官民学一体となった知識の共有/共感、ビジネス臭も包含したオープンでフラットな議論の場、敷居の低さ、レジリエントな学会運営、などでしょうか。さて「流行」は？様々な意見があるかと思いますが、舵取りは難しい、変えていかねば生き残れないものはあるはずでしょう。 「ゆく河の流れは絶えずして、しかも元の水にあらず」鴨長明の無常観が表れている「方丈記」の冒頭部分であり、変わらないように見えても変化しないものなどはなく、すべては常に変化してゆく。我々の体も細胞レベルでは、1年間で九十数パーセントが入れ替わるといわれています。細胞レベルでは常に変化しつつ、身体設計図を担うDNAにより外見は変わらない、して内面は？ADMETAにとってのDNAとは？ 一方、この30年で、世の中が変わったように見えて、上辺の変化だけで、底のほうでは何も変わらない、変わろうとしても変われないのも事実でしょう、知らぬ間に周りを見渡すと進化のスピードが格段に早まっている。変わらない、というのはある意味、幸運なことかもしれない。変わらなくても生き延びてゆければの話ではありますが。 学会としてのADMETAは、その新陳代謝の良さも相俟って、比較的フレキシブルに舵取り可能かと思われます。変化させられる、でもドラスティックに変化できない？是非とも「流行」を一緒に考えさせて頂きたい。 玉石混交、混沌の中より、真の鉱脈は見出される。今後もバトンを繋ぎ続け、40周年、50周年にはどのような姿をみせてくれるか？楽しみにしています。 |
|
東京大学 大学院工学系研究科 副研究科長 マテリアル工学専攻 教授 まずはADMETA30周年おめでとうございます。 ここまで，この学会の運営にご尽力された皆様に改めて感謝申し上げますとともに，さらなる発展を期待しております。 自分が最初にADMETAに関わったのは１９９３年です。当時，米国で開催されていたAdvanced Metallization Conference（AMC）を日本でもやるべしということで，東工大で最初に開催されたのが１９９１年です。その前の１９８９年に日立製作所の技師長だった菅原活郎先生（日大教授）が東工大の百年記念館で１日のタングステンワークショップを開催したのが，その前身だったのかとも思いますが，今となっては定かではありません。当時は２年に１回開催ということで，１９９３年は堀池先生が委員長となられました。記憶をさかのぼると，浜松町の近くに島嶼会館という貸会議室があり，そこで打合せしたことを覚えています。当時，堀池先生は広島大学のご所属で，会場として広島では集客が見込めないので東大で開催してほしいとのご意向でした。１９８６年に東京大学の山上会館が建替えられ，同時通訳システムなども備えた大会議室があったので，ここを会場とすることにしました。堀池先生からは次の１９９５年には同じく東大を会場に小宮山宏先生（自分の指導教員，当時の上司）を委員長に開催すべしとも仰せつかりました。この段階で，山上会館を会場とすることが定着したかと思います。当時はすべてボランティアで対応したため，１９９３年と１９９５年の開催は何日も徹夜に近い作業で準備するなど非常に大きな負担でしたが，配線分野の企業の皆様の温かいサポートもあり，何とか無事に開催できたことを覚えています。その後，このアットホームな雰囲気は維持すべき，また，毎年開催すべきとなり，隔年開催から毎年の開催になりました。配線技術に関わる方が少なくなり，学会の内容もかなり幅広くなったかと思いますが，企業や大学の垣根を越えて，活発な意見交換がなされ，さらには様々な産学協創が推進されることを期待しています。 |
|
芝浦工業大学工学部電子工学科 上野 和良 30回記念のADMETA Plus 2021開催おめでとうございます。私は、ちょうど10年前の2011年に、21st ADMETA Plus 2011の委員長を務めさせていただきました。当時、ADMETAは伝統的に東京大学の本郷キャンパスで開催されていましたが、ADMETA Plus 2011では、豊洲に新しくできた芝浦工業大学で開催致しました。今年のADMETA Plusは、30回記念になりますが、私自身も配線技術の研究に携って30年になり、感慨深いものがあります。 ADMETAは米国で開催されるAMCの姉妹学会として、日本国内の配線コミュニティーの中心になってきました。また、AMCと共に毎年発行されたプロシーディング集は“赤本”として、配線関係者必携の文献になっていました。その後、残念ながら赤本はなくなりましたが、JJAPの特集号が毎年発行され、配線研究者、特に私のような大学所属の研究者にとって、大切な発表の場を提供してくれています。 2011年以降は、アジア地域の配線技術の研究開発の活発化に伴い、韓国のソウルや中国の北京でもADMETAが開催されました。ADMETAは、伝統的に企業、研究機関、大学の委員の協力により運営されてきました。また、個性ある熱い委員（OBを含む）のリーダーシップで、学会や委員会の場に限らず交流が盛んで、配線技術分野の発展や人材育成に果たしてきた役割は計り知れないと思います。また、日本語で実施されるチュートリアルは、配線分野に新たに加わる技術者や研究者にとって、基礎知識や最新動向の情報を得ることのできる貴重な場になっています。 私はADMETAで多くの素晴らしい人に出会い、共に楽しみ、ご指導や刺激をいただきました。私が30年に渡り、この分野で研究を続けることができたのは、全くADMETAという場のお蔭です。より多くの皆さん、特に若い人がこの貴重な場を活用して成長し、また技術の進歩につながるように、今後もADMETA Plusの発展を心から願っています。また私も微力ながら今後もADMETAに貢献できることを願っています。 |
|
Osamu Nakatsuka, Nagoya University In the 2010s, the committee members of ADMETA Asian Session began to discuss the possibility to expand not only the conference scope of the conference but also the venues in other countries, especially to Asia, in order to enhance the visibility of ADMETA abroad and to improve the number of submitted papers and participants. In 2015, ADMETA2015 was held in Seoul, Korea outside Japan for the first time, and also we received an active offer of cooperation from researchers in China as the next overseas venue. Discussions about holding the conference in China began after ADMETA2015 in Korea. After 3 years of negotiations and preparations, ADMETA2018 was the first to be held in China. In the previous year’s ADMETA2017 (October 18-20, 2017, University of Tokyo), Dr. Jun Luo (Chinese Academy of Sciences) gave his invited talk and also some regular talks were presented from China. The decision to hold the conference in China was made at the committee meeting held during the ADMETA2017 conference. After that, while exchanging information and opinions via e-mail, teleconferences were held with the Japanese side in February and April 2018 to exchange opinions on the details of the conference and the call for papers. Dr. Xun Gu (then of SanDisk Limited, now of ASM Japan), who has been a member of ADMETA since 2015, made his kind efforts as a bridge between Japan and China, and we were able to maintain smooth communication and cooperation before and after the conference. In planning and holding the conference in a new overseas location, it is essential to have the cooperation and contribution of members who are familiar with ADMETA and the local situation. We would like to express our appreciation again to Dr. Gu and the local committee members for their efforts and hospitality. ADMETA2018 was held on October 10-12 in 2018 at the Beijing International Convention Center, near the Olympic site (nicknamed Bird's Nest) in Beijing, China. The tutorial was held on October 10, 2018, and the main conference was held on October 11-12. ADMETA2018 was held as a joint conference with the 3rd International Workshop “Materials for Advanced Interconnects and Packaging (MAIP)”. In addition to the ADMETA committee, Chinese Academy of Science, North China University of Technology, ICTIA (Integrated Circuit Industry Technology Innovation Alliance) and ICMtia (Integrated Circuit Materials and Components Industry Technology Innovation Alliance) joined as conference organizers. Also, Platinum/Gold/Silver sponsors from 10 companies in China and abroad joined, and the conference committees actively promoted and recruited participants. The General Chair of ADMETA2018 was Dr. Tian-chun Ye (Chinese Academy of Science) and the General Co-chair was Dr. Chao Zhao (Chinese Academy of Science). Prof. Mikhail Baklanov (North China University of Technology) served as Program Chair, Prof. Jim Leu (National Chiao Tung University) as Program Co-chair, and Dr. Xun Gu (SanDisk Limited) as Tutorial Chair. The 13 members of Progrem Committee included 8 members from Japan, who supported the call for papers and the organization of the conference. The conference followed the format of the Japanese conference, with the tutorials in English on the first day and the plenary sessions on the second and third days. The poster session was held in the evening of the first day of the conference, and some parallel sessions were held on the last day, in which about 120 tutorial participants and about 100 main conference participants discussed. Before the poster session, a panel discussion entitled “Enabling technologies and challenges in interconnects for 5 nm node and beyond” was planned. 2 keynote lectures, 7 tutorial lectures, and 15 invited lectures were held, and 23 regular talks and 42 poster presentations were contributed. During the conference, the exchange of opinions for the future of ADMETA was actively carried out in the Program Committee meeting on the second day of the conference and the Committee members’ reception in the evening. The special issue of the ADMETA2018 conference was published thorough Japanese Journal of Applied Physics (JJAP), in which the Chinese Committee members participated in the editorial work. 14 papers were accepted and published in July 2019, and 11 papers of them were submitted from China, thus achieving the goal of expanding the scope and the call for papers to overseas and Asian countries. |
Previous Page Go To Top Next Page